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膝・下肢

離断性骨軟骨炎

離断性骨軟骨炎とは


 明らかな原因がなく、関節の軟骨が下の骨ごとはがれてくる病気をいいます。特に膝、肘に多くみられますが、まれに足、股関節にも発症します。

症状


 症状は病期によって異なってきます。
 病巣が周囲と完全には分離していない初期においては、違和感・脱力感が主な症状であり、明らかな痛みははっきりしないことが多いですが、病巣が不安定になると、運動時の痛み、動きの制限などが出現し、さらに症状が進行すると、膝が腫れて、まげ伸ばしができなくなることもあります。

好発年齢
 
 若年者の場合は、10歳から13歳くらいに発症することが多く、その7割は男児に認められます。成人発症例では様々な年齢層に出現します。

診断

 
 単純X線(レントゲン)撮影をまず行います。しかしごく初期はレントゲンでははっきりしないことも多く、また病期を判断するためにもMRIを行うことが一般的です。その他断層撮影、3D−CTなどを行うこともあります。

治療
 
 軟骨がはがれてしまうとその自然修復は困難であるため、時間とともに関節全体の変形が生じてきます。よって治療は軟骨がはがれないようにすること
が目的となります。
 治療法は年齢・病期・病巣の大きさ・発生原因を検討します。
年齢は予後に最も影響を与える因子で、保存治療(手術をせずに治す)の限界は15歳までという報告もあります。
 身長が伸びている発育期で骨軟骨片が安定していれば免荷歩行や膝関節の安静などの保存的治療を選択します。X線やMRIで回復が見られれば徐々に活動を許可します。軟骨下骨の骨癒合が遷延している場合や発育期以降では、関節鏡視下に患部の数カ所に穴を開けて出血させ治癒機転を促進させます(ドリリング)
 保存療法で治療効果がない例や骨軟骨片が剥離し遊離する例では整復固定術を選択し、不安定な骨軟骨片を骨釘や生体吸収性ピンなどを使用して固定します。
 遊離骨軟骨片と母床の欠損が小さい場合は、遊離骨軟骨片の摘出のみ行うこともあり、遊離骨軟骨片の状態が悪く骨癒合を期待できない時は、大腿骨非荷重部より採取した円柱状の自家骨軟骨片を数ヵ所に移植するモザイク手術があります。

自家培養軟骨移植術

 
4cm2以上の大きな軟骨欠損に対しては、患者さん自身から取り出した軟骨細胞を培養し、軟骨欠損部位に移植する、自家培養軟骨移植術も行っております。
 また発生部位によっては、半月板(膝の中にある、クッションの役割をもつ軟骨)損傷が合併している症例もあり、早めの診断早めの治療が特に大切になることが多く、少しでも心配なことがあれば早めの受診をお勧めいたします。

代表的な患者さんをお示しします。

症例1 10歳男児    
 
単純X線正面画像
(一見正常のように見えます)
  同じ選手の単純X線画像(顆間窩撮影)
向きを変えてX線を撮ると、はっきりと病巣が
わかります。
 
関節鏡視下にドリリング施行   術後5年 全く支障なくサッカーに復帰して
います。単純X線でも異常所見を認めません。

症例2 20歳 女性    
 
単純X線写真 側面像(一見正常に見えます) MRI画像では病巣がはっきりと認めます。
     
 
 術中直視下に病巣を確認   軟骨柱移植を行ったところ
(基本的には関節鏡視で行っております)
     
     
術後CT写真    

症例3 28歳 男性    
 
MRI画像 病巣をきれいにしたところ
     
   
 自家培養軟骨を移植したところ   自家培養軟骨を骨膜で覆い終わったところ
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