膝・下肢
鵞足炎
■鵞足炎とは
膝の内側に痛みを生じる疾患に鵞足炎というものがあります。この鵞足とは縫工筋、薄筋、半腱様筋という膝を曲げる筋肉が付着する部位を指します。ランニング(ラグビー、サッカー、アメリカンフットボールなど横の動きを頻繁にする種目)や水泳の巻き足などで同部位に炎症を起こす疾患を鵞足炎といいます。
特に進級・進学し慣れない新種目を始めたばかりの4、5月、大会前で練習量が増える時期などに多くみられるようです。
■症状
膝下の内側(鵞足部)に運動後の痛みが生じます。重症になるとじっとしていても痛くなり、日常生活にも支障をきたします。特に階段の昇り降りに支障をきたすことが多いのが特徴です。
■原因
膝の屈曲を繰り返すことによって、鵞足が脛骨上端と擦れて炎症を起こすために生じます
①ランニング動作で脚を後ろに蹴り出す、サッカーのキックで蹴り出した脚を減速させる時など
過度の負担がかかった時
②ウォーミングアップ不足
③急に長距離を走ったり使い過ぎたりした場合
④骨格異常(X脚、回内足など)
⑤運動フォーム(ランニングフォーム、キックフォームなど)異常
⑥シューズ、練習場所の問題
■診断
診断は上記の症状のほか、同部位を押さえることにより痛みが生じるので診断は比較的容易です。
■治療
まず治療に先立って、この疾患をひき起こしたさまざまな原因、誘因を検討し、膝を曲げる筋肉などのストレッチ、アイシングを継続して行います。
すぐに再発するため安静期間を設けることはどうしても必要になる場合が多く、第一線のスポーツ選手ではこの期間を設けることが難しく治療に難渋する場合があります。患部の安静を計りながら以下のような処置を平行して行います。
① 消炎剤・鎮痛剤の内服
② 湿布などの外用剤の併用
③ マッサージ
④ ストレッチ
⑤ 足底板の作成(シューズ底の内側を高くするなど)
また一度発症すると治療が長期にわたることもあり、予防が大切となってきます。
■予防
① 練習前後のストレッチは十分に(特に膝を曲げる筋肉)
② 練習直後の20—30分のアイシング、その後は温める
③ ランニングの距離は徐々に伸ばす(特に新入生の場合)
④ シューズの検討(クッションの効いた靴か?土踏まずの位置はあっているかなど)
⑤ 練習場所の検討(土や芝のグランド、平坦な場所、トラックのカーブを一方通行していないか))
⑥ フォームの検討:正しいフォームづくり(膝が内側に入っていないか、足趾が外を向いていないか)
などが挙げられます。
何かありましたら、御遠慮なく御相談ください。
また鵞足炎には、骨が出っ張って引っかかることにより症状が生じる場合があります。この場合はレントゲン線(場合によってはMRI)による検査が必要となり、場合によっては手術をしないと治らない場合もあります。
御心配な方は御相談下さい。
松田病院
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