膝・下肢
オスグット病
■はじめに最近膝の下が痛くて腫れてきたという小中学生がよく来院されます。特に進学して新しいスポーツを始めたとか、責任学年になって練習量が増えたなどの4、5月に多く見かけます。
この疾患は発育期のスポーツ障害として知られており、一般には問題のない成長期の変化と認識されていることが多く看過されがちですが、実際にはスポーツ活動に大きな影響を与え、競技の断念、種目の変更等を余儀無くされるケースも多く、早期発見早期治療が重要となります。
■診断
二次成長の始まる時期(男子で骨年齢11〜12歳)に膝下に腫れを伴う痛みが出現することが特徴で診断は容易です。しかし治療は難渋することも多く、成人してからも正座などをする際に痛みが残ることもあります。
■病因
繰り返し行われる運動負荷による太ももの筋肉の収縮がお皿(膝蓋骨)などを経て膝下に負担をかけることで、同部位に炎症を生じさせることがわかっています。
■治療
治療に関しては保存治療が第一選択です。運動の休止と患部の安静を原則とし、太もものストレッチングを行い、痛みがとれてから徐々に運動を再開することが一般的です。
しかし病期によっては痛みが長期化することもあります。そのような場合には装具装着、局所のアイスマッサージ、飲み薬、湿布、局所の注射などを併用して治療を行いますが、さらなる難治例には外科的治療を検討することもあります。
またスポーツ復帰には病期を見極めることが大切で、試合形式の練習復帰まで早期であれば平均6週程度、進行した時期であれば平均13週程度を要するといわれています。この病期の把握にはMRI検査が非常に有効になります。御心配の方は申し出ていただければ検査いたします。
■最後に
疾患をひき起こした要因を慎重に見極めることが重要になります。なぜ同じ年齢で、同じチームに所属しているのにこの疾患を発症する選手と発症しない選手がいるのでしょうか?
選手本人、両親、コーチやトレーナーと要因や対策について共通の認識をもつことが理想的です。体全体の発育状態は?筋肉の硬さはどうか?(特に股関節周囲筋のバランスは?)、脚全体に変形がないか?などの身体の問題に加え、フォーム、ポジションなどの技術的な問題なども大きく影響を与えるため、総合的な検討が必要となります。
またスポーツ選手にとって安静は口でいう程たやすいものではなく、身体能力の低下、モチベーションの低下など様々な悪影響を与えるため、患部外トレーニングは積極的に行い、前向きに治療に取り組むことが大切です。
診断・治療やトレーニング方法についてなにかわからないことがあればいつでも御相談下さい。
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